A.以下の人工生殖の類型によって異なります。

①人工授精の場合(母親との関係では出産・分娩している事実から原則どおり相続権が認められます。)

夫の精子を利用する配偶者間人工授精(AIH)によって出生した子の場合

及び

夫以外の第三者の精子を利用する非配偶者間人工授精(AID)によって出生した子で、かつ夫の同意がある場合

及び

性同一性障害特例法に基づき性別変更した夫と人工授精で出産した妻との間の子の場合

については父親(=夫)との関係で相続権が認められます。

 

②体外受精の場合(母親との関係では相続権が認められます。)

配偶者間体外受精(夫の精子と妻の卵子を体外受精させ、その受精卵等を妻の胎内に移植して妻が出産する方法)

及び

精子養子型体外受精(夫以外の男性の精子と妻の卵子を体外受精させ、その受精卵等を妻の胎内に移植して妻が出産する方法)で嫡出否認の訴えにより親子関係が否定されていない場合

及び

卵子養子型体外受精(夫の精子と妻以外の女性の卵子とを体外受精させて妻が妊娠・出産する方法)

及び

胚養子型体外受精(夫以外の男性と妻以外の女性の卵子とを体外受精させて、その受精卵を妻の胎内に移植して妻が出生する方法)で嫡出否認の訴えにより親子関係が否定されていない場合

については父親との関係で相続権が認められます。

 

③代理母

人工授精代理母出産(夫の精子を他の女性に人工授精し、その女性に妊娠・出産してもらう方法)

及び

配偶者間体外受精借り腹代理母出産(当事者夫婦の妻の卵子と夫の精子を体外受精させ、他の女性に妊娠・出産してもらう方法)

及び

非配偶者間体外受精代理母出産(夫の精子と他の女性の卵子を体外受精させ、当該ドナーに妊娠・出産してもらう方法)

及び

卵子養子型体外受精借り腹代理母出産(夫の精子と他の女性の卵子を体外受精させ、卵子ドナーではない第三の女性に妊娠・出産してもらう方法)

の場合については、父親(=夫)との関係では相続権があるが、母親(=妻)との関係では相続権はないことになります。

 

精子養子型体外受精借り腹代理母出産(夫以外の男性の精子と妻の卵子を体外受精させ、他の女性に妊娠・出産してもらう方法)

及び

胚養子型体外受精借り腹代理母出産(夫以外の男性の精子と妻以外の女性の卵子とを体外受精させ、第三の女性に妊娠・出産してもらう方法)

の場合については父親(=夫)及び母親(=妻)いずれの関係でも相続権は認められません。